AEVE ENDING
「おねーちゃん…?」
数人の男子生徒達に連れ去られるように人混みに紛れてしまった倫子を、子供達が不安そうに呼ぶ。
しかし群衆のざわめきを前に、それは届きはしなかった。
子供達は未だ雲雀の足を掴んだままである。
それに気付いた朝比奈が、不思議そうに首を傾げた。
「雲雀様が子供好きとは知りませんでした」
「…今の状況で否定はしないよ」
否定したところで信憑性もないし。
「おにいちゃん!おねーちゃんが!」
子供ながらに、倫子があまり良い状況ではないと解ったらしい―――倫子が不細工の極みといえるほど嫌そうな顔をしていたのもある。
まるで助けを求めるように、雲雀のスラックスをぎゅうと引っ張った。
「おにーちゃん!」
「……うん」
わかったよ。
行けばいいんでしょ。
雲雀、初めての妥協、である。
「可愛い…」
「どっちが?」
「子供に圧されている雲雀様がです」
「雛チャンは盲目だねー」
───以上が、子供に服を引かれて歩かされる雲雀を見守る朝比奈と武藤の会話である。