AEVE ENDING





「じゃあね」

…パタン。

静かに閉じられた扉と、その向こう側で湧き上がるざわめき。
雲雀の移動と共に、そのざわめきも遠退いていった。

部屋に取り残された倫子は暫し呆然とし、ただ漠然としたなにかに駆り立てられるようにやがて苛立ちを感じはじめた。

(…嘘じゃねーだろ)

あんな顔しといて、騙せると思ったのか。

「馬鹿が」

もしかしたら、助け船を出されたのかも知れない。


(…あんな顔されると、困る)

あんたは絶対的なアダムでなきゃいけない。
あんたは、私が憎むべき男でいなきゃいけないのに。


(…惑わすなよ)


人間性は、憎しみを鈍らせる要素でしかないのに。





< 316 / 1,175 >

この作品をシェア

pagetop