AEVE ENDING
「君は知らなかっただろうが、当初この研究に使われる筈だった実験体は、雲雀くん、君だよ」
それらを繋ぎ合わせたところで真実は闇の中から浮き上がらない。
『嫌だ、もう、』
―――声が、する。
『やはり、なんの力もない人間を使うよりは…』
『アダムのメカニズムを解き明かさなくては』
『大臣宅に産まれた例の息子…、幼いながらも相当な能力者だとか、』
『あぁ、アダムとして目覚めた少年の能力基準値を大幅に覆したと噂になった…』
『名は、なんと言ったかな?』
―――ヒバリ、と。
「君が十を数えた時だ。君は既に神の申し子として、世界箱舟機構の監視下にあった。國の権力者の長子故、すぐに徴収を掛けたくともできずにいてね…」
そんな時だった。
国が重い腰を上げて、本格的にアダムメカニズムの解明に取り組み始めたのは。
「アダム増殖計画とでも言おうか。無知な人間共が神の申し子を人工的に造り出そうと躍起になった。―――全く、万死に値いする行為だと思わないか」
桐生が憂いを吐き出しながら、倫子の首に指を廻す。
ざらりと鳴る肌と肌との摩擦に、雲雀は不愉快げに眉を寄せた。
「…君に見せてあげよう。その研究の末、人間共がなにを産み出したか」
―――…バチン。
証明が落とされる。
開放されていた窓という窓も全て落ちてきた闇に飲み込まれ、一瞬の間に空間が変わってしまった。
なにもない、世界。
唯一滲む白は、倫子の裸体と桐生の白濁、鐘鬼の衣装しかなかった。
桐生の能力により、わざわざ違う映像を見せられていたらしい。
今のこの暗闇に喰われた部屋こそが、現実のもの。