AEVE ENDING
「なら帰れ」
不愉快極まりなく吐き捨てれば、未だ廊下に立ったままのロビンは困ったように俯いた。
「ちょ、待ちなよ雲雀」
それを見ていた倫子の制止。
首を傾げたままベッドから降り、ロビンへ歩み寄る。
真鶸がこちらを見て短く悲鳴を上げた。
(きっと今、とんでもなく酷い顔をしてるのだろう)
「どうかしたの」
半開きだった扉を全開にして、ロビンを招き入れる。
その時のロビンの躊躇いがちな眼に、苛立ちが更に増した。
「あぁ、…いや、怪我人だが、命に別状はなかったらしいと、伝言を頼まれた」
莫迦。
しどろもどろの言い訳。
視線の落ち着きなさから見ても、明らかに嘘だ。
「はあ?…伝言て、あんた賓客じゃん」
誰だぁ、そんなん頼んだの。
墓穴を掘ったロビンを知らずフォローするように笑う倫子は勿論、彼の嘘に気付いてはいない。
お人好しの、ばか橘。
ケラケラと笑う倫子に安堵したのか、ゆるく息を吐いたロビンがやっと本来の彼らしさを取り戻したらしい。
「ジャパニーズは人使い、荒いよな」
あっけらかんと笑い出したロビンに、倫子もつられるように笑った。
「それに従うあんたもあんただよ」
この時ばかりは、倫子の人懐こさが憎らしかった。
不快極まりなくそこから視線を逸らしソファへと腰掛ける。