銀鏡神話‐翡翠の羽根‐
冗談混じりに言ったのに、キャルナスは弟の名前を真剣に考えた。
サリアは笑いながら、愛する息子の艶やかな髪を撫でた。
『ではそうしましょう。マナ・シャルドネ。
私達の新しい家族ね。』
最高に幸せだった当時。
然し幸せは音を起てて崩れようとしている。
其の事に幼すぎたキャルナスは気づかなかった。
・
・
・
・
・
・
あれから数日経った朝だった。
『おはよう、キャルナス。』
まだ眠いのか、目を擦っているキャルナス抱きかかえると、
父親のレイセントはキャルナスを玄関に連れて行った。
『新しい家族だよ。』
サリアの胸の中で眠る、新しい家族。
母から其の子を受取ると、キャルナスは慌てて転びそうになった。
そんなキャルナスを見て、サリアとレイセントは笑った。
トクントクン
小さな新しい命の、新しい鼓動が聞える。
何て心地の良い音色か。
『マナ……ボクの弟。』
手を差し出してきた、まだくしゃくしゃの顔をした赤ん坊。
その手を取ると、とても温かい。
金色の髪も、宝石の様な葉色の瞳も自分と同じ。
家族……其れにしかない繋がりを感じさせた。
・
・
・
・
・
・
マナが家族になってから、約一年の月日が経った。
『ただいま……』
其処には毎晩、深い溜息をつきながら帰ってくる、レイセントの姿があった。
『どうでした今日は?』
『どうもこうも無いよ。
分家のうちにまで、戦争に加担しろとよ。』
シャルドネ家。
三大陸の内の一大陸を占める王家・エルヴァータ家。
エルヴァータの当主の異母兄弟が、レイセント・シャルドネにあたるのだ。
今回、隣の大陸との莫大的な戦争に加担するよう、エルヴァータの当主はレイセントに要求してきたのだ。
サリアは笑いながら、愛する息子の艶やかな髪を撫でた。
『ではそうしましょう。マナ・シャルドネ。
私達の新しい家族ね。』
最高に幸せだった当時。
然し幸せは音を起てて崩れようとしている。
其の事に幼すぎたキャルナスは気づかなかった。
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あれから数日経った朝だった。
『おはよう、キャルナス。』
まだ眠いのか、目を擦っているキャルナス抱きかかえると、
父親のレイセントはキャルナスを玄関に連れて行った。
『新しい家族だよ。』
サリアの胸の中で眠る、新しい家族。
母から其の子を受取ると、キャルナスは慌てて転びそうになった。
そんなキャルナスを見て、サリアとレイセントは笑った。
トクントクン
小さな新しい命の、新しい鼓動が聞える。
何て心地の良い音色か。
『マナ……ボクの弟。』
手を差し出してきた、まだくしゃくしゃの顔をした赤ん坊。
その手を取ると、とても温かい。
金色の髪も、宝石の様な葉色の瞳も自分と同じ。
家族……其れにしかない繋がりを感じさせた。
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マナが家族になってから、約一年の月日が経った。
『ただいま……』
其処には毎晩、深い溜息をつきながら帰ってくる、レイセントの姿があった。
『どうでした今日は?』
『どうもこうも無いよ。
分家のうちにまで、戦争に加担しろとよ。』
シャルドネ家。
三大陸の内の一大陸を占める王家・エルヴァータ家。
エルヴァータの当主の異母兄弟が、レイセント・シャルドネにあたるのだ。
今回、隣の大陸との莫大的な戦争に加担するよう、エルヴァータの当主はレイセントに要求してきたのだ。