ダーク&ノイズ
そして翌日。

校門の近くを歩いている悠美の背後から、安堵を含んだあいさつが投げかけられた。

「悠美、おはよう」

沙理奈は悠美の顔を見るなり半分泣きそうに表情を崩した。

お互い不安な夜を過ごしたということだろう。悠美の顔もそれに近い。

「よかった。悠美がちゃんといてくれて」

「そんなこと言わないでよ」

悠美は不安なだけではない。

その沙理奈の言葉が、自分の罪悪感をえぐるように感じて、不快をあらわにした。

「ごめん……縁起でもなかったね」

殊勝に反省してみせる沙理奈の態度を見ると、さらに感情は複雑に混乱してしまう。

もちろん、なにひとつ良い感情ではなかった。



ふたりが教室へ入ると、いままで賑わっていた室内が静まり返った。

一斉にこちらへ目を向けた同級生たちは、すぐさまそれを逸らせ、思わせぶりな目配せを互いに交わす。

(やな感じ……)

とっさにその異様な雰囲気に、悠美と沙理奈は眉をひそめた。

「なに、こいつら」

沙理奈は聞こえるようにひとり呟くと、荒々しく自分の席の椅子をひいた。

悠美も自分の席にバッグを置くと、いつものメンバーを待った。



そのメンバーの顔を思い浮かべると、ふたり足りない。

(やっぱり今日も来ないのかな)

祈るような気持ちで入り口を眺めていると、やがて真知子とのぞみが入ってきた。

悠美はほっと息を吐き、四人は固まってふたりを待った。

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