不機嫌マーマレード
1週間会えないのはとても苦痛だった。


何とか残業しなくて済むようにいつも以上のスピードで仕事をこなした。


圭吾がよく利用している駐車場の入り口で彼の車を探す。


一番奥のスペースに停まる車から人影が現れる。


「千景!」


圭吾の優しい声が届く。


ドクン!と心臓が跳ねて、こちらに向かってくる圭吾に手を振る。


恋をするとどうしてこうも心臓の高鳴りが気になるんだろう。


私、メイクは崩れてない?この服は似合ってるかしら?いつもは気にならないことがこの時ばかりは気になって仕方が無い。
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