不機嫌マーマレード
1週間前と同じ、クスリと笑って肩を抱かれる。


「お疲れ様。お腹すいただろ?何か食べに行こう。」


そう言って肩に置いた手を今度は腰に回してエスコートされる。それはとても自然で嫌味が無い。


「今日は何が食べたい気分?」


歩きながら圭吾が聞く。彼と一緒に食事が出来るなら私は何だっていい。それでも以前「何でもいいよ」と言って圭吾が困り果ててしまったことを考えると、ここは一つ提案したほうがいいのだろう。


「そうだねぇ、今日は、パスタが食べたいかな。」


「だと思った。」


何で?
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