君の声。


「陽ー!」

気づかずに離れていく
陽を呼び止めると

彼女はくるっと振り向いた


俺の姿を捉えた陽の表情は
困惑に満ちていた


仕方なくオレから歩み寄り

「鈴、落としたよ」

小さな黄色の鈴を手渡した


『あっ』

とでも言うような表情をして
彼女はそれを受け取り

『ありがとう』

と頭を下げた





< 36 / 62 >

この作品をシェア

pagetop