アリスの作り方
「義母さんから命令が出るまで僕はルイの味方だから」
王子様から予期せぬ言葉が出てきた。
敵だから……という意味ではなく、感情の無いと話していた王子様から……。
「……。」
王子自身も急に出てきた言葉に戸惑っているようで、頭の中の情報を整理するように目を瞑っていた。
「ありがとう」
予想外でもその言葉はとても嬉しくて、幸せを噛みしめるようにゆっくりと瞬きをし、微笑みながら王子様を見た。
「泣き止んだみたいだね」
今まで通りの無表情で言うと、もう行くんでしょう。頑張ってね。と付け足し、私に手を振った。
「バイバイ」
「バイバイ」
彼に手を振り、後ろを向くと私は握り締めてグチャグチャになった地図をひろげながら……
ティック家へと向かった。
彼らには心を開けないかもしれないが、それでも……私は心の中で王子の為にアリスになる事を誓い、その為に進む事を決意した。