アリスの作り方
王子と別れて私はしばらく走らずに歩きながら家へと向かっていた。
帰ることがとても憂鬱で、一歩踏み出すだけで気持ち悪くなるようだったから。
王子の為……
頭の中ではそう思っているが、それでももやもやした感情が渦巻いていた。
「アーリスちゃん」
どのくらい歩いていただろうか、急に聞き覚えのある少し高めの男の人の声がした。
「……。」
返事をしようと思い一瞬止まったが、彼とは顔を合わしたくなくて……そのまま振り返らずに先を急ごうとした。
「アリスちゃん」
走ろうと思った時、急に私を呼び止める声と共に右腕に痛みがはしった。
「きゃっ」
右手をふりほどこうと思い切り左右に腕を振るが効果なく、寧ろその反動でバランスを崩してしまい……
“バタン”
大きな音をたてて、しりもちをついてしまった。