アリスの作り方


けれどあんな大きな音がしたにも関わらず痛みなどなかった。

その代わりにあったのが何かに包まれるような感覚……。


「大丈夫……ごめんね」


そっと目を開けると私の目の前にはなめらかな綺麗な手……どうやら私はジョーカーさんに支えられているらしい。


「……。」


目線を上に移すと、ジョーカーさんがいつものような柔らかい表情で私を見つめていた。


「ごめんね」


私と視線が合うと表情を曇らせながら呟いた。


「……。」
「ごめんね……ごめんね」


私が見つめていると哀しそうに謝り続けるジョーカーさん。




“ポツ”



私の頬に水滴が落ちてきた。


(泣いている……)


彼の目は少し涙で潤んでいて数滴の涙が頬を伝わっていた。


「ジョーカーさん」


私の頬に当たった涙をさすりながら彼を見つめると、彼は未だに苦笑いしながら笑っていた。


「隊長が……ひどいこと言ってごめんね」


温かい雫が私の頬に触れるのとほぼ同時だった。




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