アリスの作り方
「けど思い出そうとすると体が消えてしまいそうな程切なくなるんだよね」
だから思い出せないと自分の軍服の胸の辺りを掴みながら続ける。
その作り笑いが妙に痛々しかった。
「だから……僕にとってはアリスちゃんは何人いても、君は一人だよ」
「……。」
不意に現れたそれは私が望んでいた言葉……。
“ツゥー”
その言葉を聞いた瞬間、私の頬に生暖かいものが流れていく感触があった。
「俺も王子様みたいに心が欠けているから人より小さい心かもしれないけど……誰よりもアリスちゃんの事を刻んでいるからね。けどね……。」
気まずそうに頬をかきながら目線を私の少し右にして続ける。
「それでも……君がアリス…――敵である事には変わらないから」
今までの穏やかな空気が変わったように哀しそうな表情だった……。
「……うん」
そんな彼に対して何もいえなくて私はうずくまる様に俯いた。