アリスの作り方
「ふーん」
考えるようなそぶりをしながら言う。
「あ~そういえば……。アリスちゃんってさ、怖くないの?」
不意に投げかけられる。
「何がですか?」
この人は、何を考えているのか読めない。
むしろ何も考えていないのだろうか適当に投げかけられた、今までの話の何の脈絡もない話。
いったい何を聞きたいのかすらわからない。
「女の子が兵隊さん相手に戦うんだよ~。救世主とはいえ考えられないなぁと思って。それに最初の攻撃にも物怖じ一つしなかったし」
そう考えてみるとそうだ、ナイフが頬を掠ったら普通は恐怖に支配されてしまう。
それ以前に何度も生死に関わるようなことに巻き込まれている。
私がこう普通にここにいることは普通であって普通ではないこと……。
やっぱり結局は……。
「不思議の国だから?」
という結論になってしまう。
自分でも分からない事が人に伝わることは無い訳で。
「ますますわかんないんだけど」
ジョーカーさんが微笑みながらもお手上げのように両手をあげた。