アリスの作り方


「それより、私にとってあなたのほうが不思議なのですが」


「どうして?」

ニコニコと笑いながら聞く、相変わらず緊張感のかけらすら感じられない。


「だって、あの……スペードさん?は私に敵意むき出しなのに。あなたはまるで無関係みたい。さっきだって私に手を出さないって」

「うーん……特に可笑しな事ではないと思うケド。女王様…――上司からそう言う命令聞いてないから」


人差し指で顎をさすりながら、首をかしげながら言う俗に言うぶりっ子ポーズである。
相変わらず違和感がないそれに呆れてしまう。


「へぇ」

どう突っ込んでいいかわからないためなんともいえない微妙な表情になってしまう。

「まあね、隊長はなんかあんた達に恨みあるみたいだからね。確か……クロ……。」


“シュッ”


そうジョーカーさんが何かを言おうとした瞬間、私とジョーカーさんの間を掠めるようにナイフが飛んできた。
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