アリスの作り方


手には知らぬ間に少し大きめな針を持っている。
そしてそれはスペードさんの体にも数本刺さっている。


「っつ…お前っ……な…にを」


ひざをつきながら、苦しそうな顔でそれでもなおティックを鋭くにらみながら言う。




「安心してくださいただの痺れ薬ですよ。今日は“偶然”持っていたので」
私には絶対向けないであろうとても冷たい冷徹な表情。
そしてなんで偶然持っているのかという突っ込みが頭の中を通過する。

けどそんなこと言えない状況だ……って言うかそれ以前に言いたくない。


「…殺すのか。あいつ…みたいに」


スペードさんはとても苦しそうな表情をしている。だが私たちを見る鋭い眼光だけは衰え
ない。


“あいつ……?”


そう思った瞬間……。




「ちょっと待ってね~時の番うさぎさん。それはさすがに出来ない相談だね。俺も上司いなくなったら困るし…。もし殺すつもりなら俺が相手になるよ」


ひざをつくスペードの前にジョーカーさんが立った。
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