アリスの作り方
「お前に……守られる……義理はねぇ…」
そう仲間であるはずのジョーカーさんに対しても冷たく言い放つ。
「そう言われても俺はあなたの部下ですから、あなたの盾となる義務があるんですよ。“リター隊長殿”」
目線はティックに向けつつもスペードさんを敬うように、今迄からは考えられない真剣な口調だ。
「あなたとは戦いたくなかったのですが……仕方ないですね」
とても悲しそうな目をしつつもジョーカーを見る視線に迷いはない。
「へぇ……これは……面白い見もの……だな」
スペードさんが一言呟いた。
また再び戦闘が始まる。
止めなくちゃ……。
「駄目!」
そう思った瞬間不意に言葉が出た。
「アリス様」
「アリスちゃん?」
急に話に入ってきた私に驚き皆していっせいに私を見つめる。
「ティック……スペードさんは今戦えない。それにジョーカーさんも手を出さないといっている」
無意識的に言葉が出てくる。
「アリス様はお優しいのですね」
そのことばを聞きながらティックが寂しそうに呟いた。