星屑
この街で、真哉と切磋琢磨しながら生きる毎日は、苦しいこともあったけど、でも充実していたのだと思う。


恋人との出会いは、勤める店で。


初めはただのお客様だったけど、真剣に告白され、そしてそれを受けた。


着実にステップアップしていく仕事、共に闘う親友、そしてかけがえのない恋人の存在。


だからまるで無敵のように思っていたけれど、そんな日々なんてそう続くものじゃなかった。


酒に酔った彼の、暴力。



「何で仕事を辞めないんだ!」


理由はいつも、決まってそんなことだった。


でも自分には、キャバクラ嬢としてのプライドもあったし、そこに夢も描いていた。


だから彼には身勝手にも、それを応援してくれることを望んでいたのだけれど。



「康平の心配するようなことは何もしてないわ。
だからお願い、話を聞いて!」


康平のことは好きだったし、普段は本当に優しい人だ。


だから真哉とは違う部分で頼りにしてもいたし、その存在に支えられてもいた。


あの頃の自分は幼くて、本当は弱くて、だから別れられなかったのかもしれない。


妊娠に気付いた時、すぐに答えなんて出せなかった。


脳裏をよぎったのは、真哉のことだ。


けれど一方では、仕事を辞めて康平と共に生きることを選べば、幸せを掴めるのかもしれないとも思っていた。


父は厳格で、母は押し付けるばかり。


そんな家を捨てるように飛び出したからこそ、あたたかい家庭というものに憧れだってあったのだろう。


何より、宿った命に罪はない。

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