星屑
「子供が出来たの。」


そう言った時、康平は飛び上って喜んでくれた。


そして、結婚しよう、と言ってくれたのだ。


だからきっと大丈夫なのだと思っていたし、新しい命より優先させるものなんてないんじゃないか、とも思った。


真哉には、本当に謝ることしか出来ないのかもしれない。


だからずっと会えなかったけど、でも、やっぱりこのまま別れるなんてことも出来ないと思った。


彼もまた、自分にとっては何よりかけがえのない家族のような存在だったから。


なのに、あの日。



「静香、何やってるんだ!」


康平は、前々から真哉の存在を気にしていた。


事あるごとに疑われていたけれど、まさか尾行のようなことをされていたなんて。


どうして信用してもらえないのだろう。


そして康平は、真哉のことを悪く言いながら、身重の自分に手を上げた。


それは決定的なことだったのかもしれない。


子供は父親なんかいなくたって、自分ひとりで育ててやろう、と心に誓った。


でも、真哉は自分の責任だと感じていたのだろう。



「なら、俺が父親になってやるよ。」


正直、揺らいでしまいそうだった。


でもまだ彼には未来があり、こんな自分のために、それを無駄にしてほしくないとも思った。



「それでも俺らが親友であることに変わりないからな。」


自分には勿体なくらいの言葉で、真哉には感謝してもし尽くせないだろう。


道は違えど、これからも変わらず共に歩む約束をした。


そして、病院からの帰り道。

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