星屑
「…父親は、先ほどの彼ですか?」


「真哉は違います。
彼はいつも傍にいてくれる、本当に大事な友人なんです。」


土屋さんという人は、本当に不思議な方だ。


聞かれたくないと思っていることは決して立ち入ってくることもなく、つたないだけの言葉でも、全てを理解してくれているかのよう。



「子供をひとりで育てることは、並大抵じゃない。」


「わかっています。
でも、この子を産んであげたいんです。」


「…そうですか。」


彼は考えるように視線を落とす。


正直、非難されるんじゃないかという恐怖もあり、沈黙が流れた。



「あなたを助けたいと思うわたしは、どうすれば良いんでしょう。」


困ったように笑い、土屋さんは顔を上げた。


優しい人なのだろう。



「ありがとうございます。
そのお気持ちだけで本当に救われます。」


でも、望みはなかった。


これ以上自分のことで、誰かを巻き込みたくもなかったのに。



「何かさせてくれませんか。」


「……え?」


「とは言っても、今のわたしにはお金を援助することしか出来ませんが。」


言葉の意味がわからない。


どうしてただのキャバクラ嬢に、嘘でもここまでのことを言ってくれるのだろう。

< 391 / 418 >

この作品をシェア

pagetop