星屑
「夜の街の怪しい店で酒飲んで、奈々は不良娘だね。」


「何それ、不良とかじゃないし。」


「まぁ、俺はそれを持ち帰ったわけだけど?」


おどけたように言われたので、ちょっと呆れた。


煙草とチュッパの味の混ざり合うキスは、勇介そのもののよう。



「言っとくけど、シンちゃんは全然怪しくないからね。」


いや、見た感じ怪しいんだろうけど、女は一切相手にしないし、何より遅くなれば送ってくれる、ドSのくせに優しいお兄ちゃんなのだ。


まぁ、ゲイだというのは一部の人しか知らないけれど。



「奈々ちゃんはモテますねぇ。」


「アンタが言うな。」


また笑われたので、あたしは口を尖らせた。


コイツの所業は嫌というほど耳にしているし、だから勇介だけには言われたくない。



「奈々は何で星が好きなの?」


「太陽みたいに図々しくないから、かな。」


何それ、と勇介は口元を緩めた。



「謙虚に輝いてて、でも綺麗で見てると安心すんの。
夜って苦手だけど、昔から星の数を数えてたんだ。」


なんて言ったら笑われるかな?


と思っていたのに、今度の勇介は笑ったりしなかった。


彼はいつも、何だかんだであたしの話には真剣に耳を傾け、馬鹿にしたりはしないのだ。


そういう部分があるから、やっぱり嫌いにはなれないと思う。

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