ココロ君色。
少し不安そうな顔で、一人自分の世界に入り込む幸。
窓側の席の幸はふと空を見上げ、ゆっくり動く雲を目で追った。

そして幸は斜め前の竜二に目を移した。
後姿の竜二は、なんだかすごく大人びて見える。
ワックスで遊ばせた黒い髪が、なんとも言えなくかっこいい。

やばい・・・顔熱くなってきた。

「はい、じゃあ気をつけ。礼。」
先生の言葉に皆は軽く礼をし、一人だけ頭が上がっている幸は我に返って、遅れて頭を下げた。
その光景に、幸を後ろ側から見ていた美咲は声を押し殺して笑う。

幸は顔を赤くしながらため息をついた。



その時、幸の足元にシャープペンシルが転がってきた。

「あ、シャーペン落とした」
竜二は椅子の下を覗いたりと、ペンを探している様子。

あ!竜二のだ!チャンス!!

幸は必死でシャーペンに手を伸ばした。

ゴンッ

「痛っ!!!」
体を起こそうとした瞬間、幸は机に頭をぶつけた。
竜二はその音に反応し、幸の方を見ると、思わずふき出してしまった。
「ぶっお前何やってんだよ!!馬鹿だっあはははっ!」
「・・・ひど~・・・」
幸は恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。

最悪!笑われた・・・恥ずかしい・・・

「・・・はいっ」
幸はふくれっ面のまま竜二にシャーペンを差し出した。
竜二は少しの間そのシャーペンを見つめた後、にっこり笑って「ありがとう」って言った。

やばいってその笑顔反則だし。

幸は一人竜二の笑顔に見とれていた。




多分あたし重症だな・・・
気づくと頭に浮かぶのはいつも竜二の笑顔だし。





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