ココロ君色。
一時間目の英語で、朝っぱらから暑苦しい藤沢先生と過ごさなければならない。
まあ、50分の間だけだけど。


この憂鬱な時間が早く終わってほしい。
早く竜二と話したい。

いつからこんなに竜二を求めるようになったんだろ。

いつから竜二がこんなに愛しくなったんだろ。


気づけばいつの間にか出会っていて

気づけばいつの間にか好きになっていたから。


竜二を追いかけるのが精一杯で


考えてる暇なんてなかったな。



「・・・はっ」
自分の世界に入り込んでいた幸は、授業中だということに気づき現実に引き戻された。
一瞬先生と目が合った気がするが、幸は瞬時に目をそらした。

・・・あぶなかった・・・。

苦笑いをしながら、また一人自分の世界に入り込む。

その日は一日、ずっとそんな感じで過ごしていた。








「なあ幸ー?お前何やる?」
「・・・へ?」
「へ?じゃねーよ!卒業式の準備の話!」
「・・・あ、ぁあ!!」

気づくといつの間にか5時間目で、クラスはザワザワと話し声が響いていた。
その中で、幸は竜二に話しかけられていた。
内心嬉しくてたまらないのだが、なんとかそれを隠そうと必死な様子の幸。

「色々あるけどさーどれもあんまやりたくないかも」
笑いながら黒板を見つめる竜二。
黒板に目を移すと、いくつかの担当が書いてあって、幸はそれを急いで読み始めた。
「掲示物の作成・・・掲示物の貼り付け・・・、呼びかけ・・・出し物・・・」
「出し物って何だ?」
「なんだろね。多分卒業生のために、クラスでなんかやるんじゃない?」
「・・・あ、それで何をやるか決める人ってことか。」
「多分ね!」
「ふーん・・・俺それにしようかなあ」










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