ココロ君色。
・・・え!

「・・・あ、それにするの・・・?」
「うん・・・なんか楽しそうだし。」
「・・・・・。」

これは、チャンスではないのか?
ここで竜二と合わせて・・・「私も最初からそれにしようとしてました」みたいな自然な流れで・・・。


「あたしもそれがいいと思ったんだけどさ!!うん!!だからそれにしようと思ってるし!!うん!!」
必死で竜二に合わせようと思わず声を上げる。
「・・・あ、そうなんだ・・・」
竜二はわざとらしい幸を不思議そうな目で見つめる。
幸は自分でも絶対におかしいと気づいている。あえて顔に出さないようにして。


だあ~~~・・・!!!
失敗したあー!!!
絶対竜二引いてる・・・最悪だあ・・・。


思わず恥ずかしくなり、下を向く幸。

すると竜二は、にぃーっと笑って幸に親指を立てた。
「ま、頑張るべ!」
「・・・え。・・・あ、うん!!!」
竜二の言葉に幸は満面の笑みで返した。



今・・・

今竜二があたしに・・・めっちゃ笑いかけてくれた。


幸せ・・・幸せだあ~~!!!

幸は嬉しさのあまり握った拳が小さく震えた。
胸の高鳴りが増していくのが分かる。


今ならこの教室で、竜二に「好き」って言える気がした。

恥ずかしいとかフラれる怖さとか。

何も考えずにただ「君が好き」って。


言える気がしたんだよ。




まあ気のせいでしょうけど。








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