恋時雨~恋、ときどき、涙~
順也は、静奈と付き合って3年目の記念日にプレゼントを用意していたのだ。


記念に残る物がいい、そう思った順也は、静奈に内緒で先輩の妹が働いている駅前のセレクトショップに、ちょくちょく足を運んでいたのだそうだ。


静奈とのデートの時間を割いてまで。


急によそよそしくなったのを不信に思った静奈は、順也の行動を調べる事にしたのだった。


急な仕事が入って会えなくなったと言われた日、静奈は順也の勤務先にガソリンを給油しに行ったのに、順也の姿はなかった。


順也は休みをとっていたのだ。


そして、相談しようとしてわたしの家に向かっているとき、静奈は見てしまったのだ。


駅前のカフェで順也と知らない女の子が、楽しそうに談笑しているのを。


恥ずかしそうに笑っている順也を見て、静奈の感情が突っ走ってしまったのだ。


その女の子が、セレクトショップの店員だとも気付かずに。


それが発端となり、あの花火大会の夜、2人はこじれて順也が交通事故に合ってしまった。


その誤解を解いてくれたのは、健ちゃんだった。




< 97 / 1,091 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop