イジワル王子とお姫様
外に出ると案の定、旅館から漏れる灯りと、ポツリポツリある道端の電灯と…後は、旅館の裏手の海から見える遠くの光だけで外は真っ暗だった


…ナツキくんどこ行ったんだろ


旅館の灯りと、懐中電灯の灯りを頼りに旅館をぐるり一周してみる


…裏手に回ると、部屋の窓から眺められた海辺に出る


堤防があって、そこにナツキくんは座っていた…


「ナツキくん!?」


私が懐中電灯でナツキくんを照らすと、さほど驚きもせずまた海の方を向いてしまう


「…来んなよなぁ」


ポツリ呟く声が聞こえたけど、無視して隣に座った


チャプン…と、堤防に波のぶつかる音だけが響く


月明かりに水面が照らされ、とても…綺麗だった


次第に目が慣れてくる


懐中電灯を消してしまうとさっきまでは真っ暗だった周りも、段々と情景が見えてくる


「…いつまでここいるわけ?」


どの位時間が経ったんだろ。ナツキくんの横でぼんやり海を見ていると、やっとナツキくんから話しかけてくれる
< 242 / 275 >

この作品をシェア

pagetop