◆太陽のごとくあいつは◆



その途中の道路で、静けさが広がる早朝に、タクシーを止める男の声がした。


『タクシー!!』


大きな声だったので、声のした方を晶螺が見ると、そこにはあの2次で逃げ出した田辺篤がタクシーに乗り込んでいた。




『ぁっ!!!』



『ん、どうした晶螺ちゃん。』



『ごめん、美奈さん、先に浜行ってて!

俺すぐ後追うから!!』



『ぇ!?ぇ、いや、ちょっと晶螺ちゃ…』




引き止める余地もなく、晶螺はとっとと他のタクシーを捕まえ、田辺の乗ったタクシーを追いかけていってしまった。




『あんれまぁ…どうしたことか…』




美奈と、まだ多少ぐったりの裕香はただタクシーが見えなくなるまでそこで呆然としていた。














第一試合で出番の麻美が、ストレッチをしたりしてスタンバっているところへ、まだ私服のままの友枝がやってきた。



『準備はできたか?』



『ぅん。バッチリ♪先生は?着替えないとそろそろ!』



『ぁぁ、それが雛森が見当たらなくてさ。これからホテルまで呼びに行こうかと思って』



『電話すればいいんじゃない?』



『いや、それが話中になってて』


『やーねぇ、決勝に遅れるなんて。あと20分で開会式なのに。晶螺くんまで着てないんだよー?』


『………』





< 108 / 146 >

この作品をシェア

pagetop