◆太陽のごとくあいつは◆
その途中の道路で、静けさが広がる早朝に、タクシーを止める男の声がした。
『タクシー!!』
大きな声だったので、声のした方を晶螺が見ると、そこにはあの2次で逃げ出した田辺篤がタクシーに乗り込んでいた。
『ぁっ!!!』
『ん、どうした晶螺ちゃん。』
『ごめん、美奈さん、先に浜行ってて!
俺すぐ後追うから!!』
『ぇ!?ぇ、いや、ちょっと晶螺ちゃ…』
引き止める余地もなく、晶螺はとっとと他のタクシーを捕まえ、田辺の乗ったタクシーを追いかけていってしまった。
『あんれまぁ…どうしたことか…』
美奈と、まだ多少ぐったりの裕香はただタクシーが見えなくなるまでそこで呆然としていた。
第一試合で出番の麻美が、ストレッチをしたりしてスタンバっているところへ、まだ私服のままの友枝がやってきた。
『準備はできたか?』
『ぅん。バッチリ♪先生は?着替えないとそろそろ!』
『ぁぁ、それが雛森が見当たらなくてさ。これからホテルまで呼びに行こうかと思って』
『電話すればいいんじゃない?』
『いや、それが話中になってて』
『やーねぇ、決勝に遅れるなんて。あと20分で開会式なのに。晶螺くんまで着てないんだよー?』
『………』