たいよう
あっという間
一瞬にして勝負が決まる
ゴールした瞬間をスタンドで見届けると、あたしはそのまま彼のもとへと走る。
気持ちは高ぶって、
顔は引き締めなきゃいけないと思ってもゆるんでしまう
「紗愛!」
あたしに気付いた愛しい彼が、あたしの方に手をふって名前を読んでくれた。
「そら、さいこー!!」
人目なんて気にしない
あたしの目指す場所へと全力疾走
そのままあたしは飛び込んでいく。
そらはそんなあたしをしっかりと受け止めてくれた。
「紗愛、ちょっとは減速しろよ」
そういったそらの顔は多分ちょっと苦笑いなんだと思う。
パッとそらの顔を見てあたしは言う。
「だって、だって!!」
「ほら、落ち着け。ちゃんと聞いてるから」
そういうそらは同い年のくせに大人びている。あたしは素直に従って、言った。
「そら1番だったじゃん!ちょー興奮したもん!!」
でもやっぱりあたしの興奮は収まらない。
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