たいよう
「紗愛との約束だもんな」
そういってそらは優しく頭を撫でてくれた。
去年まではいっつも2番で、悔しい顔をしていたそらの顔を思い出した。
──「絶対、県で1番になる」
そういって召集場へと去ったそらの背中を思い出した。
そう、あたしにだけ約束してくれたのは嬉しかった。けど、そらは知らないでしょ?
同時にあたしは寂しかったってこと。
「1番おめでと」
あたしは、言いたかったこと全部心の中に閉まって、そう笑顔でいった。
本当にあたしとの約束を守ってくれたのは嬉しかったんだよ?
ただちょっと寂しかっただけ。
ちょっとそらとの距離を感じただけ。
「紗愛のおかげ」
あたしの気もしらないで、そんな甘い言葉をかけるそらが悔しくて、
「その黒い髪、似合ってる」
そう憎まれ口をたたいた。
いつもは明るい茶色の髪の毛のそらも大会だけは、黒にしなきゃいけないらしくぶつぶついいながら、昨日、黒く染めていた。
「うっせーよ」