=凪=
私が、食べ終わると、さっきの質問はなかったかのように、店を後にした。



そして、二人並んで海岸に座り、海を見ていた。


その時、何気に手を入れたリュックに小さな箱が手に当たった。



『あっ、チョコレート』


そっと、先輩の横顔を見る。



『どうしよう……』



「名取!あそこに水族館があるみたいだぞ、行ってみるか?」



沈黙を破るように、そう言った先輩の指差した先には、魚たちが描かれている看板があった。



「行くぞ!」



その勢いに押され、何故か、私の手は先輩の手の中にあった……



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