=凪=
「誘ってくださって、ありがとうございました。楽しかったです」


バイクの場所に戻り、夕日をバックに私は、とりあえず頭を下げた。



「おう!」



そう笑顔で応える先輩の顔色が、変わり何か言いたげに海を見つめた。



「名取……あのな……」


「?」


「どうしたんですか?改まって……」



「いや……あのな……」



「柳崎先輩らしくないですよ……」



私は、先輩の背中を見つめ、胸がギュッとなった。



「お前さ………尾沼のこと、どう思ってるんだよ」


「!」



そうどこか辛そうにそう聞く先輩……


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