風トンボ

8月8日

次の日



反田は朝早くから警視庁に来ていた。



昨日もその後、1人で考えたのだが



なかなか鍵を掴めなかったのだ。



「おはようございます。」



「おぉ、早いな反田。」



昨日現場で紙を見た上司だ。



「あの、昨日の事件の事なのですが……」



「あの事件は昨日で終わったはずだ。後は所轄にでも任せておけ。俺たちがすることはもう何もない。」



「いや、でも……」



その上司は反田の意見を無視して



モーニングコーヒーへと行ってしまった。



溜息を漏らす反田。



その後ろから聞きなれた爽快な声が飛んできた。



「ソウちゃん!おはよっ!!」



浜口 琉希亜(ハマグチルキア)、



反田の高校時代からの彼女だ。



「ルキ……俺はサトシだって言ってんだろーが。」



優しくて愛想も良い彼女は



警視庁の中でも人気がある。
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