ブラッディ アリス


「馴れ馴れしいわね…あなたたち…」

アリスはクロウを睨みながら、扉を開け放したまま廊下に出る。

「…とりあえず…このシールをネームカードにつけてから、行ってくれないかな?」

クロウはラミアから預かったシールをアリスに渡した。

「…ふん」

アリスはシールを受け取ると、カードには貼らずにポケットの中へと入れる…。

クロウは何も言わずそれを見届けた後、他の4人にもシールを渡し始めた。


アリスはカイルの顔をチラッと確認し、とりあえず玄関へと歩き出す。

窓から見える外はすでに薄暗く…廊下には豪華な装飾のライトが明るく輝く。

「………」

アリスは一歩一歩進みながら、この『スイーツホーム』に漂う不思議な香りは何なのかを考えていた。


…甘い甘い香りの中に…どこか…生臭いような……。

いや、その生臭さを…この甘い香りで隠しているの……?




……ガチャッ…!



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