ブラッディ アリス
「アリス!!」
次の瞬間、声を張り上げて現れたラビとカイル。
「…ラビ!カイル?!」
二人が追ってきたことに驚いたアリスだったが、一瞬ほっとしたような表情を見せた
。
ラビとカイルは少し怒っているような雰囲気でアリスに近づき、司教を睨みつける。
「アベル家当主専属の執事として、同行させていただきます」
「アリエス国王家の者として、国内処刑の受刑者に面会できる権利はあるはずだ」
二人はアリスをかばうように、司教の前に立ちはだかった。
「どうしたの?二人とも…」
不安そうな顔で二人を見つめるアリス。
「客間に…侯爵とキオネ様はいなかった。そこにいた司祭が…二人はシャルル様の所
にいらっしゃると…」
ラビがアリスを自分に引き寄せ、司教を睨み続けながら事情を話した。
「…やっぱりね…。わかってたわ……」
「?!」
アリスの一言に三人は目を丸くする。
「わかってたって…アリス…」
不思議そうに目線をアリスに向けるラビとカイル。
アリスは自分の肩を掴むラビの手を優しく撫でた。
「司教…あなたは嘘をつくとき、右手を撫でるクセがある…。あのとき二人はラビが
強く握ったせいで撫でたんだと思ったでしょうけど…ね」
アリスはまっすぐと司教を見つめた。
「客間に案内したとしても、何かと理由をつけて私だけを夫人のところへ連れていく
つもりだった…。違うかしら?」
「…」
司教はアリスから目を反らす。
「一人で…行きたかったのか?…アリス」
カイルが真剣な顔でアリスに問いかける。
「そういうわけじゃないわ。だけど…あの時思ったのは…私が受刑者なら、『関係者
』以外には会いたくない…ってこと…」
そう言うとアリスはラビから離れ、俯く司教の顔を覗き込んだ。
「さぁ…案内して。私を一人で連れて来いと…言われたんでしょ?シャリオ司教」