恋心
その時だ!

「あっ…」

いきなり真くんが言った

私は何かと思い真くんの方を向いた。真くんは入り口の方を見たままビックリした顔でいる

「どうしたの?」

と私も入り口の方を見るとそこには野田くんがいた…
野田くんはゆっくり近づいてきた。私はとっさに下を向いた

そんな私の腕を野田くんが掴んで

「翠ちゃん、先に帰った。駅まで送ってく」

と言った

私はその手を振り払おうとしたが力強く掴まれているのでどうしようもない

強引に私を引っ張る野田くんに真くんが

「のっ…」

と何か言いかけたが野田くんがその言葉を断ち切るように

「おつかれさん」

そう言ってまた私を引っ張った。私は抵抗を諦めた


「野田くん腕…痛い…」

あまりに強く掴まれていたためジンジンしていた。野田くんは慌てて手を離し

「ごめん…」

そう呟いた。私はこのまま駅までの道を黙ったまま歩く事を考えた…

とても耐えられそうにない…
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