トラックで輝く君を
「任せて!」

「了解-!」





ふたりはそう言って、薄暗くなりはじめた町にダッシュで消えた。

大会のあとだってのに、あいつら元気すぎるだろう。

俺は出来れば帰りたかった。





「智美、ごめんね。
確か、煙たいの苦手って言ってたのに。花火…大丈夫?
大会の後で疲れてない?」



公園に移動して、ベンチに座ったところで、佐藤は田尾さんを気遣う。





「大丈夫。
蜜菜と線香花火勝負したいし。
勝ってすぐに帰るつもりだし。」



「そう?私、強いよ?」



「蜜菜は私を気にしすぎて自分の花火を落とすタイプよね。」



「…むむ。」





むむって、面白いな。





「…面白いな。」





…そう言ったのは拓馬だった。

一瞬、無意識に自分が喋っちゃったのかと焦ったのは…きっと誰も気付いてない。





「え?私、何か言った?」



「佐藤さんはしっかりしてるはずなのに、どこか抜けてて、そこがいいところだよ。」





さらっとカッコいいこと言うやつだな、拓馬。



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