トラックで輝く君を
「起きろ-。着いたぞ。」





若干やる気なさげな斉藤先生の声で、寝ていた選手がみんな起きた。


長かったバス旅は、やっと終わったのだ。みんな、固まった体をのばしている。





私とそらちゃんは、先生に大きい荷物を頼んで、合宿所にある自転車を借り、町へ出た。

お昼ご飯はシーフード焼きそば。

夏だから、食べ物関係はすべて現地調達することに決めていた。





合宿所から町までは、少しある。





「蜜菜ちゃ-ん。はや-い。」





もともと体力のある私は、軽くこいだつもりだったけど…そらちゃんには速かったみたい。





「あぁ、しんど。
選手レベルに汗かいた。」



「…確かにね。」





そう言いながらも、そらちゃんとマーケット内を早歩きで回り、必要な材料を買い込んで、重くなった自転車を力いっぱいこいで戻った。



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