トラックで輝く君を
「あ、はい。マネージャー希望なんですけど。」





そう言ったら、かわいい子はクスクスと笑ってから



「敬語いらないよ。あたしは1組の石川沙耶。一応、幅跳び選手で-す。よろしく。」



と、明るい笑顔で言った。




「私は4組の佐藤蜜菜。よろしくね。」



私はちょっと遅れながら、自己紹介をした。





「なになに?混ぜてよっ!」





沙耶と話していたら、隣から顔が現れた。短髪で、いかにも運動選手って感じ。



「私は田尾智美!東鎌田中学出身なんだ。仲間に入れてよ!」



「え!東鎌田の田尾さんって…確かY市の記録持ってなかった?」



「あ、そうです!
100メートルで中学の記録塗り替えたんだ!ぷち自慢だよ。」



「うわ-…そんな人と同じ高校なんてラッキー!私は石川沙耶。幅跳び経験者で、高校でもやるつもり。県大会止まりなんだ。」



「県大会行けるなら十分だよ。これから楽しみだね!うまくやっていけそうだよ!」





…中学時代、バレー部だった私は、ふたりの話にまったくついていけなくて、黙って陸上部の練習を見ていた。


やっぱり経験者の方がいいのかななんて考えてしまう。
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