トラックで輝く君を
沙耶と田尾さん(?)は話に花を咲かせていて、私など目に入っていない。





そろそろ帰りたくなってきた。

そこへ陸上部の先輩が来た。





「陸上部へようこそ。こんなところに座らせてごめんなさいね。私は2年マネージャーの市村みずきです。ほったらかしにして悪かったね。何か質問とかある?」



明るくて、人当たりがよくておまけに可愛い。

市村みずき先輩は
黒髪ロングヘアーをポニーテールにしていて、まつ毛が長い。美しい日本人女性の代表みたいだ。



「あの!休日もこのグランドで練習ですか?競技場では練習しませんか?」



真っ先に質問したのは田尾さんだった。さすが、熱入ってるな、とか思う。

その気迫に負けそうだよ。




「休日は基本的に西駅のそばにあるスポーツセンターのトラックを借りて練習してるよ。あと、この学校にはトレーニング室があるので、そこでも筋トレするかな。」



「あの、幅跳びを私はやりたいんですけど出来ますか?」



次は沙耶だ。

他にも見学してる子いるのに、このふたりは桁外れと言うか、空気読もう並みに熱入ってる。



「出来るよ。3年に1人幅跳び選手がいるから安心してね。他には?」





「…あの!」



私は遅れをとらないように声を出してみた。



「何?何でも聞いて?」




「初心者でも大丈夫ですか?私はマネージャー希望なんですけど…陸上のこと何も知らないので不安で…。」
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