トラックで輝く君を
サッカーの時は走り回っていたはずなんだけどな。
ボールがあるとないとじゃ違う。





「なんかならありましたけど…
申し訳ないっすけど、正樹先輩には話したくないっす。」



「生意気だな、お前。」





そう言いながらも正樹先輩はケタケタを笑っている。





「すいません。」



「今日は謝ってばっかだな。
拓馬となんかあったんだろ?」





ドッキー!

なんなんだ?正樹先輩ってエスパーだったのか!?





「ははっ。図星な顔か?
かまかけ成功って感じだな。」





…本当、余裕ね-な、俺。





「まぁ、俺が拓馬に言われたことで勝手にテンパってるだけの話っすよ。」



「…女?」





…あの、やっぱりエスパーすか?





「まあ…俺が言うのは変かもしれねぇけど、涼平は自分にもっともっと自信持っていいと思うけど。
一番可哀想なのは…奴か。」





ん?奴って…なんだ。
もしかして、正樹先輩はすべてを知ってるのか?





「…健人先輩っすか?」



「あいつは言わないけどな。
俺は…見てればだいたい分かっちゃうんだよなぁ。
だから、拓馬のことも涼平のことも気付いてんぜ。」





カッコいい-…。





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