トラックで輝く君を
俺は勢いで後藤先輩に電話をかけてみた。





「おう、涼平。
バレンタインデーに男から電話来ても嬉しくね-ぞ。」




「いや、マジな相談なんすよ!」




「ん、どった?」





後藤先輩は、始めは茶化したものの、話を聞いてくれるみたいだ。

俺は、佐藤には悪いけど…後藤先輩に全て話した。告白されたことも、俺が今、思っていることも。





────……



「涼平、お前はまだわかってないだけだと思う。
怖いんだろ?…みっつ-なをちゃんと彼女として見れるのか。満足させられる彼氏になれるのか。まぁ、経験不足もあるのかもしれないけどな?」





怖い……俺が?





「結局、逃げてるんだよ。
好きなら、今はそれでいいじゃね-か?カッコつけんなよな。」





わからなくもない。

確かに、逃げてる部分がないわけじゃない。

けど…やっぱ彼女って何だ?





「…涼平。
恋人の形はひとつじゃないぞ。それぞれ形が違うんだ。
だから、こういうのが彼女ですなんて決まり、ないんだぞ。
彼女に母親のような愛情を求めるやつもいれば、甘いバカップルやるやつ、友達みたいなやつらとか、いろいろあるんだから。
けど…俺から言わせれば、みんな共通してるんだ。


…相手にそばにいてほしいって気持ちだけはな?」





心にふっと佐藤の顔が浮かぶ。



確かに、あいつにそばにいてもらえたら本望だ。





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