トラックで輝く君を

ぶかめん side Mitsuna

「蜜菜、行くよ!」





SHRが終わってざわざわした教室に、智美の声が響く。





「今行くよ。」





私の声も響く。












5月もゴールデンウィーク明け。

今日から通常通り、学校が始まる。ゴールデンウィークは宿題も多いというのに毎日練習だった。

でも、午前中のみ。
陸上競技はあまり長時間は練習できないらしい。基本的に、休日は半日練習だ。





「ごめん、プリント出してなかったんだ。」



「置いてこうかと思った。さ、はやく着替えちゃおう。せっかくグランドで練習の日なんだから。」





…冷たい。

この子は田尾智美。
同じクラスの陸上部。



例の部活見学のときに
さややこと石川沙耶と共に、私に色々と不安を与えてくれた、田尾さんです。



でも、本当に智美は凄い選手らしくて、素人の私でも分かるくらいだ。

他の人とはスピードはもちろんのことだけど、フォームとかも違う。



纏っているオーラも違って見えてくるから不思議。



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