トラックで輝く君を
「え、蜜菜ちゃんなんか言われたの?やっぱあたしも居ればよかったですかね?」



「健ちゃんと後藤くんからの文句は酷かった。…私が思うに、ただ後輩って存在に浮かれてるだけだろうけどね。」



「健人とごっさん…あいつら、後で補強メニュー追加してやりますよ!新入りいじめて!まったく!」



「そうしてやんな。って訳だからさ、蜜菜はまったく気にする必要ないよ。タイミングなんてこれから覚えていくのよ。」





「はい。頑張ります!」



やっぱり、私は陸上部を選んでよかったと思った。





そのあとも、何度か“ぱん”のお仕事とか長距離のラップを取るお仕事をした。



なかなか上手くは出来なかったけれど、何度も選手に怒られ、みずき先輩から指導を受けて、少しずつだけど部員として認められていく感じがした。





「蜜菜、“ぱん”だいぶ上手になったね。」



後藤先輩にそう言われたときには、嬉しかった。

名前を呼ばれたのも、それが初めてだった。



1年男子とも話すようになった。





これから、3年生の引退大会が始まろうとする5月の初め。

やっと、自分が陸上部員になれたと思えるようになった。



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