トラックで輝く君を
「楽しみだね。蜜菜ちゃんはもう決めてんの?」





野澤結希ちゃん。
私がクラスで初めて話したお友達。私よりも10センチ以上低い背丈、長い髪の毛は焦げ茶色に染められてウェーブがかかっている。ちょっとあどけなくて、守ってあげたい子とはまさにこの子のことだろう。





「まだだよ。オリエンテーション見てから考えるつもり。」



私は佐藤蜜菜。
身長は168センチ。髪の毛は生まれたままの真っ黒のストレートにぱっつん前髪。小学生の時から抜けないアネゴ肌。学級委員なんかをうっかり任されるタイプである。





「そっか-。あのね、結希は決めてるんだ。絶対にバスケ部のマネージャーやるんだ!」





マネージャー…か。





「そうなんだ?なんで?」





「えへへ。彼氏…先輩なんだけどね、バスケ部なんだ。」





結希ちゃんはちょっと顔を赤らめて、頬を両手で包みながら小さな声でそう言った。



男ね。



とか冷静に思った自分がなんだか嫌になる。
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