トラックで輝く君を
「変よね、あいつ。」



みずき先輩は、心からの軽蔑の眼差しで後藤先輩をけなした。

でも、嫌いじゃないんですね。



「後藤先輩って、掴みにくいキャラしてますよね。」



「悪い人ではないけど…あの緩さはマネージャーとしてどうにかしないとって思ってるんだ。」



やっぱり。
嫌いじゃないみたい。





「治りますか?あの性格はきっと中学生時代からのものな気がするんですけど。」



確か、後藤先輩の出身校は坂本中だ。
地元では有名。坂本中36期生は、ゆめまち周辺じゃ一番の問題学年だった。

坂本36期は私のひとつ上。



つまりは後藤先輩の代のこと。





知ったときには、ちょっとだけ後藤先輩を軽蔑しそうになった自分がいた。





「まあね。一年かけてもダメだったしね。…追加メニューを組むしかないわね。」



みずき先輩はそう言うと、ファイルからメニューの紙を取り出して



『ごっさん追加メニュー』

と書いて、なんだかキツそうなメニューを書き足した。
それを見て、齋藤先生はすごいな、とか言っていた。



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