僕と彼女のウラ事情
「早速だけど、ココわかんないんだ」
浩太にこずかれつつも、美吉の
プリントを見た。
「・・あー、この問題か。
僕も苦労した・・」
少しげんなりして言うと、美吉は
微笑んだ。
「ほんと!?大輝君でも苦労する事
あるんだねぇ」
その瞬間、湊が
僕の首に手をまわしてくっついた。
「でも解けちゃうのが大輝君の
ウリなんです♪」
「━・・何でも聞いて・・?
僕、美吉のためならがんば、ぁいた!」
無駄に爽やかに笑って僕のモノマネをする
浩太のすねを机の下で思いっきり蹴った。
「?西山君、どーしたの?」
「馬鹿だから自分でぶつけたんだよ」
・・もちろん美吉には見えていない。
ので。無言で呻く浩太の代わりに答えた。
「・・で、この問題だけどさ・・」
「あ、うんっ」
僕がプリントの問題を指差した。
ほのかが近付いて身を乗り出す。
・・・・あ。顔・・、近い・・・・・
今更ながらに気付く。・・・けど。
「・・っで、この式とこっちを・・」
「うんうん」
離れるわけにも、いかなくて・・。
━・・昨日まで遠かった美吉が、
こんなに近くにいる。
やっぱり夢なんじゃ、なんて思う自分は
相当重症だと、心の中で思っていた。