僕と彼女のウラ事情
ピーッ!!!
サッカーの、試合開始の笛が鳴る。
「大輝いくぞっ!!」
「おぅっ!」
浩太からのパスを受け、大輝が前へ出る!
「行かせねぇぜ!?」
数人の男子が止めにかかるも、
「━・・!?」
スッと3人ほど一気に抜いてゴール前へ。
その時、
「させないっ」
「あっ!!」
大輝からボールを取った湊が得意顔。
「湊にいった!全員戻れーっ!!」
守備に戻りながら現役部員、浩太が叫ぶ。
「大輝が奪られるとかめずらしいな」
「うん、かなり悔しい!!」
最近はめったに見られない、
中学の時はすぐそこで見ていた
大輝の本気で悔しがる顔。
その顔を見て、浩太は二カッと笑った。
「よっしゃ、まずは1点とんぞ!!」
浩太のかけ声と同時に、
僕は夏のグラウンドを走りだした。