キューピットは求人誌!?
「それ、ロゴスの新作の服でしょ!
乙女の知識を嘗めてもらっちゃあ困るわ。そのブランド私好きなのに、高くて買えた試しが無いのよっ」
半ば自分でも何を言っているのか分からず、とりあえず罵倒してみる。
いや、もう罵倒なのかも分からない。
とりあえず声を出して言ってみる。
だが、言いながら己がどれだけ貧乏かを自分の言葉で思い知らされて、虚しくなる。
そうよ!だからバイトしなきゃならないのに!
その時、ギャラリーが急に揃いも揃って声を上げるものだから私は驚いて肩を揺らした。
何が何だか分からず、男性に視線を向けると
「あれ」
とレジを指差した。
どうしてか切羽詰まった声音に違和感を覚えるも、レジを見る。