ベンジャミンの窓辺で
結局なんて連絡していいのか分からず、なんの音沙汰もないまま4日が過ぎ、あたしがGrand Eastに行かなくてはならない日がやってきた。

あたしは朝から落ち着かず、部屋のエレクトーンを弾きながら胸騒ぎを抑えた。

「じゃぁ、今日は龍とご飯食べるからね。バイト頑張って~」

満面の笑みで部屋を出て行った真衣。

あたしもその少し後に部屋を後にした。

電車に揺られて30分。

ホテルに到着、いつものようにエレベーターで52階まで昇る。

電子板の階数が増えていくとともに、あたしの心臓もドキドキと高鳴った。


(どうしよう…あの人がいたら!恥ずかしくって顔向けできないよ)

そんな思いを抱いて最上階に着く。
ロッカールームでライトブルーの地味なミディアムドレスに着替え、髪の毛を整えて店内に入った。

「あ、葉月ちゃん、今日もよろしくね。」

店長に話しかけられて、ドキッとしてしまった。

(なんだ、店長か)

「はい、お願いします。すみませんお休み頂いてて」

「いや、卒業したんだよね。おめでとう」

「ありがとうございます」


世間話を終え、開店時間が来た。


あたしはグランドピアノの椅子の高さ調節をして、座った。




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