オトコ嫌いなあたしと、オンナ嫌いなあなた。【完結】
その戦いを“夢で見た”って、どういうコトなんだろう?
あの時、博君の意識で戦ってたのではないとしたら。
昨夜の教訓もあり、あたしはマモル君の提案に便乗して、ハイヤーを使わせてもらった。
彼の好意に寄りかかってばかりなのは心苦しいけど、博君のコトもあるから、事情を知らない他の人に頼めないから仕方ないかな。
だけど、遠井家に行く途中で博君猫は気になることを言った。
「昨日町を探検してたら、杏子お姉ちゃんが言ってた“黒いの”が、山の方からいっぱいいっぱい来てたよ。
町の中にも少しだけどいた」
博君はやっぱりはっきりと視れるんだ。
確かに以前起きた事件では黒きアプレクターを憑かせてたし、視る力はあるかなとは思ってたけど。
でも、気になる。
マモル君が言ってた事と博君の言葉は一致した。
高台や山からアプレクターが湧き出し続けてると言うこと。
パンジーの助けを求める声で中断したけど、あたしも確かに黒きアプレクターが山の付近から生じた気配を感じたから。